50代からの働き方。残る・移る・自分でやるの選び方
50代は選択肢が減る時期ではなく、選び方が変わる時期です。会社に残る・移る・自分でやるという3つの道について、判断の基準と、いま準備できることをまとめました。
- こんな人に
- 50代でこの先の働き方を考えている人
- 結論
- 選択肢は減らない。残る・移る・自分でやるの判断基準を先に決める
- 読む時間
- 約3分
役職定年が見えてきた。後進に道を譲る話が出た。あと10年をどう過ごすか、そろそろ決めなければならない。50代でこの問いに向き合う人は、選択肢が減ったと感じがちですが、実際に変わるのは選択肢の数ではなく選び方の基準です。
基準が変わる、という意味
20代や30代の仕事選びは、伸びしろを基準にできました。これから何が身につくか、どこまで行けるか。
50代では、この基準の効きが弱くなります。代わりに効いてくるのが、いま持っているものをどこで使うかという視点です。積み上げてきた経験、社内外の人間関係、業界の勘所。これらは新しく身につけるものではなく、置き場所を選ぶものです。
この転換ができると、選択肢はむしろ広がって見えます。逆に、伸びしろの基準のまま考え続けると、どの道も見劣りして見えてしまいます。
① 会社に残る
もっとも選ばれる道であり、消極的な選択とは限りません。ただし、残り方は考える必要があります。
役職を離れたあとに苦しくなる人と、そうでない人の差は、役割を自分で作り直せたかにあります。肩書きがなくなったとき、自分の価値をどこに置くのか。若手の相談役、部署をまたぐ調整役、失われつつある手順の記録係。
ここで有効なのは、指示する立場から支える立場へと、自分の中で役割を切り替えることです。切り替えないまま残ると、周囲との摩擦が増え、本人がいちばんつらくなります。
② 別の会社に移る
50代の転職は、20代30代とはまったく別の動き方をします。求人サイトから応募して決まる割合は下がり、紹介と人づての比重が上がります。
つまり、いま準備できるのは職務経歴書の更新より、人間関係の棚卸しです。過去に一緒に働いた人、取引先、業界の知り合い。連絡が途絶えている相手に、用件なしで近況を伝えるところから始まります。
また、条件は下がることが多いのが実情です。ここで重要なのは、何が下がってよくて何が下がると困るかを先に決めておくこと。年収なのか、通勤時間なのか、裁量なのか。決めていないと、目の前の話に流されます。
③ 自分でやる
独立や起業は、50代でも十分に現実的です。むしろ、人脈と実績がある分、若い世代より立ち上がりが早いことがあります。
ただし、成否を分けるのは技術ではなく仕事が入ってくる経路です。会社にいる間に、指名で相談が来る状態になっているか。前職の取引先が、あなた個人に頼みたいと言うか。ここがなければ、辞めてから探すのは相当に厳しい。
そして、資金の面では慎重すぎるくらいでちょうどよい時期です。この年代は、失敗したときに取り返す時間が短くなります。生活費の備えと、家族との合意は、始める前に済ませてください。
3つに共通して、いま準備できること
- お金の見通しを立てる。年金の見込み額、退職金、住居費。数字にすると、選択肢の幅が具体的に見えます。公的な情報で最新の内容を確認してください。
- 健康の土台を整える。この年代からは、体調が選択肢の幅を直接決めます。
- 関係を絶やさない。次の仕事は、多くの場合すでに知っている人から来ます。
- 肩書き以外の名乗りを持つ。「◯◯社の部長」ではなく「◯◯ができる人」と言える形にしておく。
「まだ早い」と「もう遅い」の間
この年代の判断でよくあるのが、準備が整うまで待つうちに時期を逃すことです。備えは十分なのに動かない状態が続いていないか、期限を決めて点検してください。
一方で、焦って動くのも危険です。50代の選択は、やり直しの回数が限られます。急ぐべきは決断ではなく、判断材料をそろえることのほうです。
そしてこの先の働き方は、仕事だけで決まりません。家族の状況、健康、住む場所、趣味の時間。全部を含めて、どう過ごしたいかを一度言葉にしてみてください。仕事はその一部として決まります。
まとめ
- 50代で変わるのは選択肢の数ではなく、選び方の基準
- 残るなら、役割を自分で作り直せるかが分かれ目
- 移るなら、応募より人づての比重が上がる
- 自分でやるなら、仕事が入る経路を在職中に作る
- お金・健康・関係・名乗りの4つは、どの道でも効く