自分にだけ厳しい人へ。責める量と、改善の量は比例しない
友人には言わない言葉を、自分には言ってしまう。この非対称が改善を早めているのか、遅らせているのかを整理しました。甘やかしではなく、判断を正確に戻すための話です。
- こんな人に
- 自分にだけ厳しい人
- 結論
- 責める量と改善の量は比例しない。友人に言う言葉を、自分に言う
- 読む時間
- 約2分
同じ失敗をした友人には「そんなこともあるよ」と言えるのに、自分には「またやった、要領が悪い」と言う。この非対称は、かなり多くの人に見られます。
厳しさが結果を作っている、という前提
この状態の人はたいてい、厳しさが自分を支えていると感じています。甘くしたら落ちる、と。
ところが、実際に起きていることを分解すると違います。責めている時間のあいだ、対策は進んでいません。しかも責めるほど気力が減るので、次の一手が遅れます。
厳しさが結果を作っているのではなく、厳しさがあっても結果を出している、というのが正確なところです。
「甘やかす」とは違う
自分に優しくする、と聞くと、基準を下げる話に聞こえます。けれどそうではありません。
起きた事実は変えずに、そこに人格の評価を足さないだけのことです。「対応が漏れた」で止めて、「自分はダメだ」まで行かない。基準はそのままで、余計な負荷だけを外します。
実際にやること:友人に言う言葉を、自分に言う
いちばん使いやすい方法です。同じ状況の友人に何と言うかを書き出して、それをそのまま自分に言う。
奇妙に感じますが、これは判断を正確に戻す作業です。他人に対する評価のほうが、たいてい事実に近い。自分に対してだけ、極端に厳しい基準を適用しているのが実態です。
疲れているときの自己評価は、事実ではない
判断力が落ちているとき、人は自分を実際より低く見積もります。これは気分の問題ではなく、処理の仕方の問題です。
だから、疲れている日に出した自己評価は、いったん保留すると決めておくと役に立ちます。夜に書いた反省文を、朝に読み返すと違って見えるのはこのためです。
反省は5分で切り上げる
振り返り自体は必要です。問題は長さで、長くなるほど内容が対策から人格に移っていきます。
- 5分だけ振り返る。時間を区切ると、事実の範囲で終わります。
- 「次にやること」を1行書く。書けたら、その日はもう考えない。
- 書けないなら、休む。書けないのは怠慢ではなく、余力が足りていない信号です。
長く続くときは、専門家に
自分を責める気持ちが強く、気分の落ち込みや不眠、食欲の低下が2週間以上続いている場合は、考え方の工夫で解こうとしないでください。
産業医、かかりつけ医、自治体の相談窓口。相談することは、手を抜くことではありません。
まとめ
- 責めている時間のあいだ、対策は進んでいない
- 厳しさが結果を作っているのではなく、あっても結果を出している
- 優しくすることは、基準を下げることではない
- 友人に言う言葉を自分に言うのは、判断を正確に戻す作業
- 疲れている日の自己評価は、いったん保留する
- 反省は5分。書けないなら休む
- 落ち込みが2週間以上続くときは専門家に相談する