「そうかもしれない」が言えない人へ。撤回は負けではない
一度言ったことを引っ込められない。すると、間違った主張を守るために理屈を足し続けることになります。短期で勝って長期で損をする構図と、撤回を先に宣言しておくという手についてです。
- こんな人に
- 一度言ったことを引っ込められない人
- 結論
- 撤回は負けではない。守るために理屈を足すほうが損が大きい
- 読む時間
- 約2分
議論の途中で、自分が間違っていることに気づく。けれど、いまさら引っ込められない。
ここから先に起きることは、だいたい決まっています。間違った主張を守るために、理屈を足し続けることになります。屁理屈の多くは、ここから生まれます。
撤回できない人ほど、損をしている
一度も引かない人は、その場では負けません。ただ、長い目で見ると不利です。
- 正しいときも、聞いてもらえなくなる。「またか」と受け取られます。
- 情報が入ってこなくなる。指摘しても変わらないと分かると、誰も言わなくなります。
- 間違いが修正されない。その場で勝ったぶん、実害は残ります。
短期で勝って、長期で損をしている。これが、撤回できない人の構図です。
なぜ認められないのか
本人にとっては、単なる意地ではありません。だいたい、次のどれかが働いています。
- 認めると、評価が下がると思っている。実際は逆で、認められる人のほうが信用されます。
- 間違い=能力不足だと感じている。間違いは情報の不足であって、能力の証明ではありません。
- 人前だから引けない。これは環境の問題です。場所を変えれば認められることがあります。
3つ目は、実は多い。会議では引けなかったのに、あとで個別に話すと認められる。それなら、認める場所を変えればいいだけです。
撤回を、先に宣言しておく
いちばん実用的な方法がこれです。議論に入る前に、こう言っておきます。
「新しい事実が出たら、意見を変えます」。
これを最初に置いておくと、撤回が敗北ではなく、宣言どおりの行動になります。首尾一貫していることにすらなる。
そして副産物として、相手も引きやすくなります。
言い方は、3段階ある
全面的に認めるのが難しいときは、段階を使えます。
- 「そうかもしれない」。いちばん軽い。可能性を認めるだけで、話が進みます。
- 「その点はそのとおりです」。部分的に認める。全部を引っ込めなくて済みます。
- 「間違っていました」。いちばん重く、いちばん効きます。
一段目だけでも、議論の空気は変わります。まずは「そうかもしれない」を一度。
認めたあとに、何を守るか
認めることと、主張をすべて捨てることは違います。
「その点は間違っていました。ただ、結論としてはこう考えています」。誤りを認めた人の結論のほうが、重く扱われます。
全部を守ろうとすると全部を失う、というのはここでも同じです。
相手が認められないときの、こちらの動き
逆の立場で、相手が引けなくなっている場合。追い詰めると、さらに理屈が増えます。
- 逃げ道を残す。「情報が新しくなったので」「前提が変わったので」。相手のせいにしない言い方を用意する。
- 人前で追い込まない。面子を守る動機を作らないほうが、内容が通ります。
- 勝ちを主張しない。「やっぱり」と言った瞬間に、次から認めてもらえなくなります。
目的が結論なら、勝ちを譲るのは安い代償です。
自分の傾向は、屁理屈診断の「非を認める力」で確認できます。