褒められたのに落ち込む。含みのある褒め言葉の4つの形
「〜のわりに」「その年で頑張ってるね」。褒め言葉の形をしているのに、受け取ったあと気分が沈む。自分の受け取り方を疑う前に、言葉の構造を見てみる話です。
- こんな人に
- 褒められたのに落ち込むことがある人
- 結論
- 自分の受け取り方を疑う前に、言葉のほうを書き出してみる
- 読む時間
- 約2分
褒められた。ありがとうと返した。それなのに、あとから気分が沈む。
こういうとき、多くの人はまず自分を疑います。ひねくれているのではないか、素直に受け取れない自分が悪いのではないか。その前に、言葉のほうを見てみてください。
そして、沈んだこと自体は情報です。何もなければ、沈みません。
書き出すと、構造が見える
引っかかった言葉を、そのまま文字にします。記憶ではなく、言われたとおりに。
文字にすると、含みが見えることがあります。会話の速度では通り過ぎてしまうものが、止まって見えるからです。
書くときは、そのときの表情や場面も1行足す。同じ言葉でも、誰の前で言われたかで意味が変わります。
よくある4つの形
- 条件つきの称賛。「〜のわりに、すごいね」。条件のほうが本体で、称賛はその後ろにくっついています。
- 比較を含む褒め方。「◯◯さんよりずっといい」。誰かを下げて成り立つ称賛は、次は自分が下げられます。
- 意外だという表明。「できると思わなかった」。期待されていなかったことが、同時に伝わります。
- 人前での持ち上げ。断りにくい形で役割を固定されることがあります。「いつも気が利くよね」と言われた人が、その場の雑務を担当することになる。
どれも、悪意があるとは限りません。本人は本当に褒めているつもりのことが多い。だから、指摘しても伝わらないことがほとんどです。
そして、悪意の有無は分かりません。分からないものを判定しようとすると、そこで消耗します。
「受け取り方の問題」で片づけない
ここで、よく言われることがあります。「気にしすぎ」「そういう意味じゃないよ」。
たしかに、こちらの状態によって受け取り方が変わることはあります。疲れているとき、自信が落ちているときは、同じ言葉が違って聞こえます。
ただ、書き出したときに構造が見えるなら、それは受け取り方だけの問題ではありません。文字にして残しておくと、あとから自分を疑わずに済みます。
そして、同じ相手で繰り返されるかを見る。1回なら言い方の問題、繰り返されるなら関係の性質です。
対処は、返し方を1つ持っておくこと
その場で反論する必要はありません。角が立つだけです。
- 条件の部分だけ返す。「わりに、というのは?」。悪意がなければ、相手はそこで気づきます。
- 称賛の部分だけ受け取る。「ありがとう」で止めて、含みには触れない。
- 役割を固定されそうなときは、その場で断る。「今回はできません」と言えると、次から来ません。
3つ目だけは、その場で言ったほうがいい。一度引き受けると、担当になります。
断り方は、その場の役割だけを断る。「今日は無理です」。人格や関係の話にしないほうが、角が立ちません。
繰り返されるなら、距離のほうを変える
一度きりなら、たまたまです。繰り返されるなら、その人との会話ではそれが起きる、というだけのことです。
やることは単純で、渡す情報を減らし、会う頻度を落とす。相手を変えようとするより、確実で速い。
自分がどんな関係の中にいるかは、フレネミー診断で言葉にできます。