リスク許容度とは何か。%ではなく、金額と時期で決まる
「あなたは積極型です」と言われて納得したことはありませんか。リスク許容度は性格の分類ではなく、いくら減っても暮らしと判断が壊れないかという具体的な条件の話です。測り方を分解しました。
- こんな人に
- 投資のリスクをどう考えるか迷う人
- 結論
- 性格の分類ではなく、金額と時期で決まる
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- 約3分
金融機関の窓口で数問に答えると、「あなたは積極型です」といった分類が返ってきます。なんとなく納得してしまうのですが、リスク許容度は性格の分類ではありません。いくら減っても、暮らしと判断が壊れないかという、かなり具体的な条件の話です。
「2割の下落」は、%で聞くと軽く感じる
「2割下がっても大丈夫ですか」と聞かれて、大丈夫と答える人は多くいます。ところが実際に2割減ると、想像とはまるで違う感覚に襲われます。%が抽象的すぎるからです。
そこで、金額に置き換えて聞き直してみてください。「300万円が240万円になっても、いつも通り眠れるか」。さらに、そこから戻るまで3年かかるとしたらどうか。
この形にすると、自分の限界がはっきりします。そして分かるのは、限界の位置は知識では動かないということです。詳しくなっても、金額が大きくなれば眠れなくなります。性質として受け入れ、範囲のほうを合わせるのが賢明です。
いちばん効くのは、実は「使う時期」
許容度をもっとも大きく動かす条件は、度胸でも知識でもなく、そのお金を使う日までの距離です。
同じ100万円でも、来年の学費と、20年後の生活費では置き場所が変わります。期限のあるお金に、時間は味方しません。時間が味方になるのは、待てるお金だけです。
- 1年以内に使うお金。値動きのないところに置く。ここは増やす対象ではありません。
- 5年以内に使う予定のお金。時期が決まっているほど、変動は避けたい部分です。
- 当分使わないお金。ここではじめて、長期の話が意味を持ちます。
この3つを分けていないと、すべてのお金が同じ不安にさらされます。逆に分けておけば、値が下がっても「これは当分使わない分だ」と言えるようになり、判断が感情から離れます。
許容度を作っている、6つの条件
分解すると、次の6つに整理できます。どれか一つが極端に低いと、他が高くても上限はそこで決まります。
- 家計の余力。減っても暮らしが揺れない厚み。土台はここで決まります。
- 収入の安定。入ってくるお金が読めるほど、下落局面でも積み立てを止めずに済みます。
- 使うまでの距離。もっとも強く許容度を押し上げる条件。
- 下落への平常心。計算できない部分。気質に近く、知識では変わりません。
- 知識と経験。狼狽を減らしますが、耐性そのものは上げません。
- 自分ルール。迷う前の決めごと。感情が判断に触る機会を減らします。
許容度は、高いほうが偉いわけではない
リスクを取れる人が有利に見えるのは、結果がうまくいった場合だけです。実際に差を生んでいるのは、取った量ではなく続けられたかどうかで、続くのは無理のない範囲に収めた人のほうです。
「もっと取れるはずだ」と自分を説得して範囲を広げると、下がった局面で耐えられなくなります。そして下がった局面で降りると、取ったリスクの対価だけを失うことになります。
前提が変わったら、測り直す
許容度は、一生同じではありません。転職、出産、住宅の購入、親の介護。前提が変われば上限も変わります。
年に一度、あるいは大きな変化があったときに測り直す。それだけで、いちばん高い代償を払う失敗はかなり避けられます。相場ではなく、自分の前提の変化で見直すのが要点です。
まとめ
- リスク許容度は性格の分類ではなく、家計と気持ちの具体的な条件
- %ではなく金額で確認する。「◯万円が◯万円になっても眠れるか」
- もっとも効く条件は「使う日までの距離」
- お金は1年以内・5年以内・それ以降の3つに分ける
- 知識は狼狽を減らすが、耐性そのものは上げない
- 許容度は高いほうが偉いのではない。続くかどうかで差がつく