金額はゼロなのに、毎日利息を取っていくもの。人生の負債を書き出す
断れないまま抱えた役割、先延ばしにしている手続き、言えていないひとこと。金額はゼロですが、頭の中に置いておくだけで気力を削っていきます。負債の棚卸しと、返済計画の立て方をまとめました。
- こんな人に
- なぜか身軽になれない人
- 結論
- 金額はゼロでも、毎日利息を取っていくものがある。書き出す
- 読む時間
- 約3分
決算書には資産の欄と負債の欄があります。人生の棚卸しをするとき、多くの人は資産だけを数えます。けれど重さを決めているのは、たいてい負債の側です。
金額のない負債が、いちばん重い
住宅ローンや奨学金は、金額も返済期限もはっきりしています。だから重くはあっても、扱いに困りません。
困るのは、金額のないほうです。断れないまま引き受けた役割。3年前から先延ばしにしている手続き。いつか話さないといけない相手。返さないといけない連絡。どれも支払額はゼロですが、頭の中に置いておくだけで毎日少しずつ気力を持っていきます。
なぜ、頭に置いておくと消耗するのか
未完了のことがらは、忘れないよう脳が保持し続けます。これは意志の問題ではなく、仕組みの問題です。
だから、10件の未完了を抱えている人は、何もしていない時間にも10件分の負荷を背負っています。ひとつずつは小さくても、常時かかっているぶん、合計は無視できません。疲れの原因が思い当たらないとき、たいていここが埋まっています。
書き出すだけで、半分は軽くなる
やることは単純です。紙を1枚出して、思いつく限り書く。順番も分類も要りません。
- 手続き系。役所、保険、契約、解約、修理。金額より、着手していないことが重さの正体です。
- 人間関係系。返していない連絡、断れていない依頼、伝えていない気持ち。
- 役割系。惰性で続けている当番、辞めたい会、引き受けたままの担当。
- 健康系。行っていない歯科、受けていない検診、放置している症状。
- もの系。片づいていない場所、使っていないのに置いてあるもの、決められない処分。
書き出した時点で、頭は保持をやめます。紙が覚えていてくれると分かるからです。多くの人が、この段階で「思っていたより少なかった」と言います。数が問題ではなく、数えられないことが重さを増幅していたのです。
3つに仕分ける
書き出したら、各項目の横に記号をつけます。
- ◯ 返す。期限を決めて実行する。日付を書いた時点で、負債は予定に変わります。
- × 手放す。やらないと決める。決めるだけで消えるものは、思ったより多くあります。
- △ 抱えておく。いまは動かせない。ただし「いま動かさないと決めた」と書いておく。宙づりと、意図的な保留は別物です。
いちばん効くのは×です。人は、やらないと決めていないことを「いつかやること」として保持し続けます。やめる決定は、実行と同じだけ気力を返してくれます。
返済は、いちばん小さいものから
いちばん重いものから片づけたくなりますが、順番としては小さいものからが現実的です。理由は、返した実感が次の返済を動かすからです。
5分で終わるものが2つあれば、今日それを片づける。件数が減ること自体に効果があります。残高の総額ではなく、抱えている件数のほうが、気力の消費に効いているからです。
新しい負債を、増やしすぎない
棚卸しをしても、生活を続ければ負債はまた増えます。ゼロにする必要はありません。管理できる件数に保てば十分です。
効くのは、引き受ける瞬間に一手間かけることです。「いつまでに、何をするか」をその場で決める。決めずに受けたものだけが、負債として頭に残ります。受けること自体は問題ではなく、期限のない受け方が問題です。
まとめ
- 人生の重さを決めているのは、資産より負債の側
- 金額ゼロの負債(役割・先延ばし・言えていないこと)が、毎日気力を削る
- 未完了は、脳が忘れないよう保持し続けるので常時負荷になる
- 紙に書き出すと、脳は保持をやめる
- ◯返す・×手放す・△意図的に保留、の3つに仕分ける
- 返済は小さいものから。総額より件数が気力を食っている
- 新しく引き受けるときは、その場で期限を決める