通帳に載らない、いちばん大きな資産。「稼ぐ力」の増やし方と減り方
30代であれば、これから働いて得る収入の合計は預金の何倍にもなります。それなのに、この資産は通帳に載りません。稼ぐ力が目減りする条件と、外に持ち出せる形に翻訳する方法をまとめました。
- こんな人に
- これからの働き方を考えている人
- 結論
- これから稼ぐ額の合計は、預金の何倍にもなる
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これから先に働いて得られる収入の合計を、人的資本と呼ぶことがあります。30代であれば、その額は多くの場合、預金の何倍にもなります。つまりいちばん大きな資産は、通帳に載っていません。
この資産は、勝手には増えない
同じ場所で同じ仕事を続けている間も、経験は積み上がります。ただし、経験が積み上がることと、資産として計上できることは別の話です。
判断の基準は一つです。その経験が、外に持ち出せる形になっているか。職務経歴書に書ける言葉になっていないなら、それはまだ資産ではなく、社内の事情に詳しいという状態です。
目減りする3つの条件
稼ぐ力は、放っておくと静かに減ります。減り方には型があります。
- 同じ仕事を、同じやり方で続けている。習熟は進みますが、新しくできることは増えません。5年目と10年目の差が説明できないなら、この状態です。
- 社内でしか通じない言葉で仕事をしている。独自の仕組み・独自の呼び名・独自の慣習。詳しくなるほど、外での換金性は下がります。
- 成果が、自分の名前と結びついていない。チームの成果としてしか語れないと、面接でも社外でも説明ができません。
どれも、本人の努力不足ではありません。むしろ真面目に働いているほど起きやすい現象です。だから、意識して手当てするしかありません。
翻訳の作業を、年に一度やる
いちばん効くのは、転職するかどうかに関係なく、職務経歴書を年に一度書き直すことです。転職活動のためではなく、棚卸しのために書きます。
このとき効くコツがあります。役割ではなく、動詞と数字で書くこと。「営業を担当」ではなく「新規10社を担当し、うち3社で年間◯円の取引を作った」。役割は組織の言葉、動詞と数字は共通の言葉です。
書けない年があったら、それが情報です。その1年で外に持ち出せるものが増えなかった、ということが分かるからです。責める必要はありません。次の1年の設計材料になります。
増やす方向は、3つしかない
複雑に見えて、稼ぐ力の伸ばし方は大きく3方向です。
- 深くする。いまの専門性を、代わりの効かない水準まで持っていく。時間はかかりますが、いちばん堅い。
- 広げる。隣接する領域を足して、掛け合わせで希少になる。営業と数字、技術と説明、現場と制度。一つひとつは平凡でも、組み合わせは急に少なくなります。
- 見せる。すでに持っている力を、外から見える形にする。書く、話す、社外の場に出る。増やすのではなく、計上されていない資産を計上する作業です。
時間が限られているなら、3つ目からが効率的です。すでに持っているものを可視化するのが、いちばん安い投資だからです。
年齢とともに、交換レートは変わる
若いうちは、時間を稼ぐ力に交換しやすい。学ぶ余地が大きく、失敗の許容範囲も広いからです。年齢が上がると、この交換は難しくなります。
その代わり、別の資産が育ちます。判断の速さ、人のつながり、失敗の予測。50代の稼ぐ力は、新しく覚える量ではなく、持っているものの組み合わせ方で決まります。若い頃と同じ増やし方を続けようとして、うまくいかないと感じている場合は、この転換が来ているのかもしれません。
まとめ
- 将来の収入の合計は、多くの人にとって預金より大きな資産
- 経験が積み上がることと、外に持ち出せる形になることは別
- 同じやり方の継続・社内語・名前と結びつかない成果で目減りする
- 年に一度、転職しなくても職務経歴書を書き直す
- 役割ではなく、動詞と数字で書く
- 深くする・広げる・見せるの3方向。時間がないなら「見せる」から