生活防衛資金は、いくら必要か。3か月・6か月・1年の分かれ目
「生活費の何か月分」とよく言われますが、その何か月かは人によって変わります。会社員と自営、単身と家族、住居費の重さ。自分の必要額を決めるための判断材料を整理しました。
- こんな人に
- 当面の備えの額を決めたい人
- 結論
- 「生活費の何か月分」は人によって変わる。条件から決める
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- 約3分
投資の話の前に必ず出てくるのが、生活防衛資金です。「生活費の3か月分」「いや半年」「1年は要る」と数字が割れるので、結局いくらなのか分からなくなります。割れているのは、条件が人によって違うからです。
この資金が、何のためにあるのか
目的は一つです。いちばん都合の悪いタイミングで、資産を現金化しないため。
収入が止まる、大きな出費が来る、家族に何かが起きる。こうした出来事は、たいてい相場が良くないときにも起こります。手元に現金がなければ、下がっているものを売って払うことになります。これが、資産形成でいちばん高い代償を払う場面です。
つまり生活防衛資金は、増やすための資金ではなく、他の資金を守るための資金です。だから利回りを考える対象ではありません。
3か月で足りる人、1年要る人
必要額を分けているのは、主に次の4つです。
- 収入の読みやすさ。会社員で毎月一定なら短く、自営や歩合中心なら長く。ここがいちばん効きます。
- 再就職のしやすさ。職種と地域によって、次が決まるまでの期間は大きく変わります。
- 固定費の重さ。住居費と教育費が家計に占める割合が高いほど、止まったときの逃げ場が少なくなります。
- 支えてくれる先の有無。共働きか単身か、実家を頼れるか。ここは金額では測れませんが、実際に効きます。
おおまかな目安としては、共働きの会社員なら3か月分から、単身の会社員なら半年分、自営や収入の変動が大きい人は1年分を目標にする、という考え方がよく使われます。これは絶対の基準ではなく、自分の条件に合わせて上下させる出発点として使ってください。
「生活費」に何を含めるか
意外に迷うのがここです。含めるのは、収入が止まっても払い続けなければならないものです。
- 住居費(家賃・住宅ローン)、水道光熱費、通信費
- 食費と日用品
- 保険料、税金、社会保険料
- 教育費、通院費、その他の固定的な支払い
逆に、旅行や趣味など、いざとなれば止められるものは含めなくて構いません。ここを厳しく見積もりすぎると、いつまでも目標に届かず、結局始められなくなります。止められない支出だけを数えるのが現実的です。
どこに置くか
条件は、いつでも引き出せて、値動きがないこと。この2つだけです。
ここで利回りを求めると、目的を裏切ることになります。少しでも増やそうとして値動きのある場所に置くと、必要になった日に減っている可能性が出てきます。この資金の役目は、必要な日に必要な額があることで、増えることではありません。
普段使いの口座と分けておくと、なし崩しに使うのを防げます。銀行を分けるだけでも、心理的な距離は十分に作れます。
貯まる前に、投資を始めてもいいのか
よくある質問です。答えは「並行してよいが、順番は意識する」だと思います。
完全に貯まるまで一切始めない、という考え方は堅実ですが、時間という条件を捨てることにもなります。現実的なのは、先に防衛資金へ回し、余った分を少額で投じる形です。割合を決めておけば、どちらも進みます。
ただし、毎月の収支が赤字の状態なら話は別です。この場合は、投資より先に固定費の見直しが効きます。増やす工夫より確実で、しかも効果が続くからです。
まとめ
- 生活防衛資金の目的は、都合の悪いときに資産を現金化しないこと
- 必要額は、収入の読みやすさ・再就職のしやすさ・固定費の重さ・支え先の有無で決まる
- 共働き会社員は3か月分から、単身は半年、自営は1年が出発点
- 「止められない支出」だけを生活費として数える
- 置き場所の条件は、すぐ引き出せて値動きがないこと。利回りは求めない
- 収支が赤字なら、投資より先に固定費の見直し