社内広報のはじめ方。読まれない社内報を、読まれるものに変える
社内報が読まれないのは、内容が悪いからではなく宛先が決まっていないからです。目的の立て方、最初の3か月でやること、続けるための運用まで、一人でも始められる形にまとめました。
- こんな人に
- 社内報や社内広報を担当している人
- 結論
- 読まれないのは内容ではなく宛先が決まっていないから。相手を1人決める
- 読む時間
- 約3分
社内報を出しているが、誰が読んでいるのか分からない。全社メールは開かれない。イベントの告知だけが流れていく。社内広報を担当してこう感じているなら、問題は文章力ではありません。誰に何を届けたいのかが決まっていないことが原因です。
なぜ社内広報が要るのか
人数が増えると、隣の部署が何をしているか分からなくなります。分からないと、協力の依頼が起きず、同じことを別々にやり、判断の前提がずれていきます。
社内広報の役割は、この情報の断絶を埋めることです。仲を良くすることでも、会社を良く見せることでもありません。ここを取り違えると、誰も必要としていない記事が量産されます。
成果が見えにくい仕事ですが、離職や重複作業の防止として、確実にお金の話につながっています。
最初に決める3つのこと
- 誰に届けるか。全社員は宛先ではありません。新入社員なのか、現場のリーダーなのか、拠点が離れている人なのか。絞るほど届きます。
- 何が起きてほしいか。読んだあとに何をしてほしいのか。相談が増える、応募が来る、判断がそろう。行動を書けないなら、その企画はまだ弱い。
- どこで読まれるか。メール、チャット、社内ポータル、紙。人が実際に見ている場所に置くこと。立派な媒体を作っても、見に行かせる仕組みがなければ読まれません。
読まれる企画の作り方
読まれるものには共通点があります。自分に関係があると一目で分かることです。
経営方針の解説は、そのままでは読まれません。しかし「この方針で、来月から現場の何が変わるのか」に翻訳すれば読まれます。人物紹介も、趣味や経歴を並べるだけでは弱い。「この人に何を相談できるのか」が書いてあると、実際に相談が発生します。
いちばん強いのは、困りごとの解決です。申請の手順が分かりにくい、誰に聞けばいいか分からない。こうした小さな詰まりを解消する記事は、地味ですが確実に読まれ、感謝されます。
最初の3か月でやること
担当になったばかりなら、いきなり発信を増やさないでください。順番があります。
- 1か月目:聞く。各部署の人に、何が分からなくて困っているかを聞いて回る。ここで企画の在庫が全部そろいます。
- 2か月目:小さく出す。週1回、短いものを出す。長い記事を月1本より、短いものを毎週のほうが定着します。
- 3か月目:反応を測る。開封率でも、感想の数でも、問い合わせの変化でもよい。数字がないと、続ける根拠を作れません。
続けるための運用
社内広報がなくなる理由のほとんどは、担当者の消耗です。一人で企画・取材・執筆・編集を回すのは、思っている以上に重い。
効くのは、型を作ることです。毎回ゼロから考えるのをやめて、繰り返せる枠を3つほど用意します。人物紹介、部署の仕事紹介、手順の解説。枠が決まっていれば、素材を差し替えるだけで出せます。
また、書く人を増やす仕組みも要ります。現場の人に書いてもらうときは、白紙を渡さないこと。質問を5つ用意して答えてもらい、こちらで整える形にすると、負担が一気に下がります。
経営層との関係
社内広報は、経営からの伝達役として使われがちです。それ自体は役割の一つですが、伝達だけになると信頼を失います。都合のよいことしか載らない媒体は、誰も読まなくなるからです。
長く機能させるには、現場の声を上に返す経路もセットで持つこと。「読者から、この点が分かりにくいという声が出ています」と伝えられる立場になると、広報は一方通行ではなくなります。
成果の報告も忘れずに。読まれた数、相談が増えた件数、採用への影響。数字にして出すことで、この仕事は続けられます。
まとめ
- 読まれないのは文章力ではなく、宛先が決まっていないから
- 誰に・何が起きてほしいか・どこで読まれるかを先に決める
- いちばん強いのは、小さな困りごとを解決する記事
- 長い月1本より、短い週1本のほうが定着する
- 繰り返せる型を3つ持つと、担当者が消耗しない